プレーの区切り

 試合は、たくさんのプレーが積み重なって構成されていきます。それぞれのプレーには区切りというものがあります。試合を有利に進めていくためには、このひとつひとつのプレーの区切りを支配していくということです。

審判員のコールによる区切り

 審判員が試合の流れを止めるために行うコールは、「ファール」、「デッドボール」、「ボールデッド」、「タイム」の4種類です。

 「ファール」は打者がフィールボールを打った時で、打球が確実にファールボールになった時点でコールされます。
 「デッドボール」は、投球が打者の身体に触れたときにコールされます。

※投球が打者の身体に触れても、打者が投球を避ける行為をしなかったり、スイングをしている場合には、「デッドボール」ではなく「ボールデッド」がコールされる場合があります。

 「ボールデッド」は、様々な場面がありますので、ここでは個別の説明は行いません。
 「タイム」は、審判員の判断によりコールされる場合と、監督・選手からの求めによりコールされる場合の2種類があります。

【オフィシャルソフトボールルール】
1-71項 タイム TIME とは、審判員が試合の中断を宣告する用語のことをいう。

 選手は必要がある場合にはタイムを求めることはできますが、むやみに「タイム」を求めることは試合を遅延させることにつながります。

 監督またはコーチがチームのメンバーと打ち合わせを行うために要求する「タイム」は、ルール上も認められた権利ですが「打ち合わせ(チャージド カンファレンス)」といい、試合中の回数に制限があります。

【オフィシャルソフトボールルール】
1-14項 チャージド カンファレンス CHARGED CONFERENCE(打ち合わせ) とは、監督またはコーチがタイムを要求して、チームのメンバーと打ち合わせをすることをいう。
(注)投手の交代を球審に通告する前後に、監督・コーチが投手と打ち合わせをしても、それは打合せとはみなさない。

5-8項 打合せ(チャージドカンファレンス)
1.攻撃側の打ち合わせ (中略)
 攻撃側の打ち合わせは、1イニング中一度限りである。
2.守備側の打ち合わせ (中略)
 守備側の打ち合わせは、1回から7回までの間に三度、8回以降は1イニング中一度に限り行うことができる。

 上記はすべて審判員のシグナルとコールによって宣告されます。いずれも、審判員は両手を少し開いて高く挙げるシグナルで、同時に4種類いずれかのコールをします。また、グラウンド内の他の審判員は同じシグナルで同調します。このシグナルとコールがあればプレイは完全に止まりますが、シグナルとコールがあるまでは「ボールインプレイ」です。

「ソフトボール “まだまだ審判員”のルール徹底研究」
下記の投稿をご覧ください。
「ボールデッド」と「ボールインプレイ」

プレーとプレーの間

 選手が自ら管理できる区切りは、プレーとプレーとの間にあります。

 ひとつのプレーの流れを追ってみることにしましょう。
 まず、プレーは必ず投手の投球から始まります。投球を打者が打たなければ、捕手から投手に球が戻され、一つのプレーが終わります。打者が三振やフォアボールになった場合も同じで、投手に球が戻るまでが一つのプレイです。

 打者が打った場合はどうでしょうか。一旦球は野手が持つことになりますが、塁への送球を経て最終的に投手に戻されます。このように、一つのプレーは、投手の投球から始まり、投手に球が戻ることによって終わります。

 このように、1つのプレーに必ず“始まり”と“終わり”があって、一つのプレーが終わり、次のプレーが始まるまでの間に区切りが生まれます。

 これは、投手が球を持ってピッチャーズサークル内に戻った後は、走者は占有権のある塁に戻るか、次の塁に進むかのいずれかを選択しなければならないというルール(8-6項14)があるからです。また、走者がいずれかの塁に付いた後は、投球が投手の手から離れるまで塁を離れることができない(8-6項13)からです。この「離塁アウト」のルールは野球とは異なるソフトボール競技の特徴と言えます。

 いずれにしろ、選手はこの区切を利用して、状況の確認、気持ちの切り替え、守備者同士の意思統一(アイコンタクトや掛け声で)を図ることができますし、加えて投手は次打者との間合を測りながら次の投球準備をすることができるのです。

【オフィシャルソフトボールルール】
8-6項 走者がアウトになる場合
13.投球が投手の手から離れる前に走者が塁を離れたとき。
<効果>13
(1)ボールデッド。
(2)走者アウト。(無効投球になる)

14.球を持った投手の両足がピッチャーズサークル内に入っているのに、走者が塁に触れていなかった時。
<効果>14
(1)ボールデッド。
(2)走者アウト。
(注1)投手が球を持って、ピッチャーズサークル内に入ったときは、塁を離れていた走者は、直ちに元の塁に戻るか、次の塁に進まなければならない。
(注2)進塁中の走者はそのまま走塁を続けてよい。
(注3)四球で一塁に向かうとき、打者走者は一塁の直前、または一塁上に停止したのちに、突然走り出してはならない。
(注4)次の場合、走者は離塁してもよい。
 ①投手が球を手から離したり落としたりしたとき。
 ②投手がピッチャーズサークル内から踏み出したり、外に出たとき。
 ③投手が走者に対して、野手としてのプレイ(偽投を含む)をしたとき。
 ④投手がアピールプレイをしようとして、球をピッチャーズサークルの外へ出したとき。

区切りとはいえ「ボールインプレイ」

 選手自ら管理できる区切りとはいえ、この区切りは「ボールデッド」ではなく「ボールインプレイ」であることを忘れてはなりません。

 投手が投球の準備動作に入らない限りプレイは始まりませんが、余裕は20秒しかないのです。投手は球を受けるか、球審がプレイを指示したのち20秒以内に投球しなければ、ボールデッドで1ボールの宣告を受けるからです(7-5項6)。

 この短い時間をいかに上手に使うかは、試合を有利に進めていく上で大変重要な部分だと考えてください。

【オフィシャルソフトボールルール】
1-55項 ピッチ PITCH(投球)とは、投手が打者に対して球を投げることをいう。

7-5項 ボール
6.投手が球を受けるか、球審がプレイを指示したのち、20秒以内に次の投球をしなかった時。
<効果>6 不正投球ではなく、ボールデッド。

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